SAM動物病院 本文へジャンプ
犬の病気など・・・に関して 


犬を飼育する上で大切なのは,予防できるものは予防することと飼い主の方の病気に関する知識の向上でしょう。病気になってから≠ナはなく、予め病気にならないようにすることが非常に大切だと当院では考えています。また、緊急性のある病気は早めに来院されるのも非常に重要です。病気によっては、来院が半日遅れることで生死を分ける場合もあります。この簡易ホームページでは、なるべく簡単に・・・
@犬の予防注射、フィラリア予防、ノミの予防、A避妊手術、去勢手術のメリット、B自宅での愛犬の体の管理C偏食、肥満の予防、D緊急性のある病気、E比較的多くてやっかいな病気・・・に分類してみました。ご覧ください。
※7歳以上の場合、半年〜1年に一度は血液検査などをお勧めしています。
イメージ


@犬の予防注射、フィラリア予防、ノミ予防に関して

●犬の混合ワクチンに関して
犬の伝染病の予防として混合ワクチンがあります。

当院では、ワクチンは種類を揃えています。

ワクチンの中のジステンパー、パルボウィルス感染症のような致死的なダメージを与える病気は必ず接種する必要があります。また、パラインフルエンザのような子犬の時にかなり多く発生する疾患もあります。これらは致死的なダメージはありませんが、呼吸器症状が続き、長期間の治療が必要になります。レプトスピラは鼠からの感染でかなり稀な疾患ですが、人畜共通感染症なのでできれば予防した方が無難です。その他、伝染性肝炎、コロナウィルス感染症などがあります。

種混合(社)、種混合、種混合のどのワクチンを接種するかは飼い主の方と相談の上で、犬の種類、大きさ、飼い方、年齢、既往症、過去のワクチンでの副反応の有無、飼い主の方の希望などにより種類から選択使用しています。


●狂犬病ワクチンに関して
日本ではここ
40年以上国内での犬の狂犬病の発生例はありません。しかし、世界保健機関(WHO)によれば、狂犬病により全世界で毎年35千〜5万人が死亡し、アジア、アフリカでは狂犬病の人への感染が多く発生しているそうです。お隣の中国では、20031月から9月に狂犬病で死亡した人の数は1297人で前年度比で62%増加しています。日本では、狂犬病予防法により犬を飼育する上で義務として予防接種が毎年行われています。飼い犬が他の人や他の飼い犬を咬んだ場合にいろいろとトラブルが発生します。これらの理由で毎年ワクチン接種の必要性があります。最近、フィリピンから帰国した日本人が2名狂犬病を発症しお亡くなりになりました。今後、狂犬病が国内の犬に蔓延する可能性も否定できません。なるべく公衆衛生上、犬を飼育している方は毎年、ワクチンを接種してください。


●フィラリア予防に関して

フィラリアは寄生虫の名前です。英語ではハートワーム。心臓糸状虫(犬糸状虫)を意味します。この虫が蚊の媒介によって心臓に住みつき、様々な障害を起こします。これが犬フィラリア症です。腸の中に寄生する消化管内寄生虫は駆虫薬の投与で、便とともに排出(駆虫)できますが、このフィラリアは心臓の中(右心室)に寄生するので駆虫しても体外に出せません。(死んだ虫は肺に迷入してしまいます)

心臓の中に成虫が寄生すると血液の流れが悪くなり各種循環器障害を起こします。また、フィラリアの成虫の寿命は5〜6年なので感染から5〜6年たつと心臓内の成虫は死亡して心臓から肺に移動して各種呼吸器障害(咳、呼吸不全、喀血など)を起こします。

感染してから対応するのではなく、予防を心掛けましょう。

予防薬は錠剤、チュアブル(味付きの薬)、細粒、滴下式(背中に落とす薬)などいろいろあります。それぞれ料金が違います。犬の性格、食餌、飼い主の方の希望、料金、犬の大きさなどから相談の上、薬を選択して頂きます。



●ノミの予防に関して

ノミは黒茶色の小さな虫です。一度、犬に寄生するとノミは、だいたい17日から26日間生存します。また、ノミは寄生すると吸血を開始し24時間以内に交尾します。そして、交尾をして24時間から36時間後に卵を毎日産みます。卵は犬猫の体から落ちて卵→蛹→ノミになり再び犬に寄生する生活環をとっています。

現在、日本では犬猫ともに猫ノミの感染がほとんどでしょう。また、ノミは人間を刺すこともあります。

犬がノミの寄生を受けるとノミアレルギー性皮膚炎、条虫症などの病気を起こすことがあるので注意をして下さい。予防としては予めフロントラインの薬を犬の首に付けてください。24時間で駆除できます。
*夏場でのペットホテルでは予め、ノミやダニの予防をお勧めしています。
*当院ではペットホテルでお預かりする際にノミやダニの感染を確認しています。



●ダニの予防に関して

犬では時として散歩などでダニが寄生する場合があります。このダニは耳ダニ、皮膚疥癬(ダニ)とは違うダニで肉眼で小さく見えます。最初付いたときは小さなダニですが吸血することによって大きくなり飼い主に発見されます。

無理に引っ張って取るとダニの足が残り患部が発疹、化膿する場合もあります。ダニを取る場合は注意して除去してください。ダニの数が多い場合は無理やり取らずにフロントラインを使用してください。予防として予めフロントラインを犬に付けてください。48時間で駆除できます。



A避妊・去勢手術のメリット


●メス犬の避妊手術の乳腺腫瘍の予防効果に関して

メス犬の場合、1回目の発情前に避妊手術をした場合に乳腺腫瘍の発生率は0.5%、1回目と2回目の発情の間に避妊手術を行なうと8%、2回目以降はあまり変化がなく4匹に1匹で乳腺腫瘍が発生すると言われています。

原因はホルモンが関与していると言われています。ほとんどは徐々に大きくなる乳腺腫瘍ですが、一部では乳癌になる場合もあります。

よって2回の発情前までに避妊手術をしておくと将来的に乳腺腫瘍の発生率を減らすメリットがあります。



●オス犬の去勢手術に関して
オス犬の場合、去勢手術(睾丸摘出術)のメリットとしては病気の予防を考えると、のちのちの睾丸腫瘍の発生、前立腺疾患の発生の軽減、会陰ヘルニアの発生の軽減(肛門近くの筋肉が弱くなり筋肉間にヘルニア(裂け目)ができ皮下に腹腔内の内容物が出てしまう疾患)が挙げられます。
性格的に攻撃性がある場合や発情時の異常行動で去勢を行う場合もあります。
オス犬メス犬をともに飼育し、交配や発情を望まない場合で行う場合もあります。
最初に挙げた病気の予防を考えるケースでは、オス犬の場合にはメス犬の乳腺腫瘍や子宮疾患ほど発生は多くないので病気予防を強調しすぎて手術を無理に勧めるのは個人的には好きではありません。



B偏食・肥満の予防に関して

●偏食に関して

最初が肝心、食餌管理。

犬を飼育し始めたら、できれば食べるフードを限定し成長期でのフード、成犬になってからのフードはあまり変えない方が良いと個人的には思います。食べないから食餌を変更・・・を繰り返すと犬猫の嗜好性(好き嫌い)も高まります。また、人の食べ物を与えると一層偏食傾向はエスカレートしますので飼育し始めが重要です。

犬や猫のフードは食べてみると分かりますが非常に薄味です。要するに人の食べ物と違って塩分は非常に少ないのです。人の食べ物を犬に与えると塩分は多すぎ、心臓などに良くありませんし濃い味に慣れて犬用のフードを食べなくなります。犬は人に比べてカルシウムを10倍以上必要とするのでカルシウム不足に陥り骨が弱くなったりします。犬と人の必要栄養量は違うので犬用のフードだけを与えるのがBESTです。
猫のフードを犬に与えると高カロリーになるので続けるとよくありません。



●肥満に関して

まずは、理想体重を設定します。なるべくカロリー価の低い食餌に変更します。まずは市販のものでも良いでしょう。犬は適度な運動も良いです。食べればフードにおからなどを混ぜるのも良いかもしれません。但し、必ず主食は猫はキャットフード、犬はドックフードにしてください。注意としては急激に痩せさせない事、特に猫は肝リピドーシス(脂肪肝)を発症するケースがあるので徐々に体重を減らす事、犬は毎日、適度な運動が大切で週1回のみの激しい運動は駄目です。

どうしても体重が減らない場合は病院の処方食に食餌を変えるのも良いでしょう。




C自宅での愛犬の体の管理に関して

●耳の管理に関して(生活上のケアー)

どの犬も耳のケアーは大切なので専用の耳洗浄液でこまめに耳を掃除してください。掃除の仕方は犬の大きさ、耳道の大きさ、犬の性格、飼い主と犬の関係によりそれぞれ違ってきますので診察室で指示を受けてください。特に耳が垂れて耳道に毛が生えやすいシーズー、プードルは耳の疾患が多いようです。また、耳が垂れているゴールデン、ラブラドール、ダックスなども耳の疾患が多いので耳をしっかり管理してください。綿棒も使い方によっては耳道に炎症を起こすので注意が必要です。



●爪の管理に関して(生活上のケアー)

犬は定期的に爪を切る必要性があります。犬では散歩をよくする場合アスファルトで爪が削れて狼爪以外は伸びない場合もあります。犬は爪が長いと途中で折れて出血したり、歩行時に四肢に負担がかかるケースもあります。また、高齢になるにしたがいカルシウム吸収不全からなのか、爪が弱くなり変形し内側に太くなり皮膚に食い込む場合があります。日頃から爪の管理もきちんとしましょう。
若い犬で散歩で爪が削れて切る必要がなくても前肢の一番内側の爪は地面に接しないので伸び続けそのままにしておくと皮膚にくい込むケースがあるので注意が必要です。



●肛門腺の管理に関して

特に問題なく 一生涯、肛門をしぼらなくても良い場合もありますが、犬が床にお尻をこすったり、何かお尻を気にするような場合、肛門嚢という肛門の左右斜め下にある袋に分泌液が溜まっている場合があります。

場合によっては破裂して皮膚の中に分泌液が漏れて化膿する場合もあります。お尻付近に穴があいた、またはお尻を痛がると来院するケースが多いようです。だいたいは内科的に治療しますが、外科的な治療が必要なケースもありますので犬猫がお尻を気にしだしたら注意してください。時計の表示法では肛門を中心に4時と8時に肛門嚢はあります。ちなみに人の内痔核は3711時だそうです。




D比較的多い緊急性のある病気に関して

●尿路結石症に関して(とくに尿道に結石が詰まった場合)  緊急性ありすぐ病院へ

雄犬、雌犬ともにあります。膀胱にできた結石が尿道につまり、排尿できない状態で来院します。犬は排尿姿勢を何度もしますが、排尿できず非常に苦しがります。来院するのが遅れると急性腎不全を起こし死亡するケースもあります。症例にもよりますが、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、尿検査などのいずれかまたは複数の検査により状態を把握してから内科治療、場合によっては麻酔処置+手術になります。

麻酔後に各種カテーテル、結石粉砕器などを使用して結石を膀胱に押し戻してから膀胱切開手術をして結石をすべて除去します。(この場合、麻酔時間は全過程で約1時間程度)

稀に、雄犬では、色々な方法を用いても尿道に詰まった結石を膀胱側に押し戻せない場合があります。この場合は、尿道切開して結石を除去する手術が必要になります。(尿道の結石を除去しなければ犬は自分で排尿できず尿毒症になってしまいます)

獣医学上、尿道切開術はできれば避けたい手術で、かなりの出血を伴います。当院では、ラジオ波メスで手術を行ない術中の出血を最小限に抑えますができれば行いたくない手術です。場合によっては、一時的または生涯にわたり新しい尿道口を形成しなければならない場合もあり術後管理に時間がかかる場合もあります。(この場合、麻酔時間は全過程で約2時間半程度 場合によってはそれ以上かかります)

一般的に、犬が血尿や頻尿を示し早期に膀胱内の結石が診断されれば結石の種類によっては食餌療法または膀胱切開手術で治療できますが、血尿、頻尿がある状態をそのままにして無治療、放置しておくと結石が増え大きくなり、その後、尿道に結石が徐々につまり排尿できない緊急な状態になると思われます。



●雌犬の子宮蓄膿症に関して  やや緊急性あり(病態によりまちまち)

特に避妊していない中齢以降の雌犬で多いようです。

だいたいは、発情後約1ヶ月前後で発症するケースが多いようですが、発情が不明だったり発情時期と違う時期での発症もあります。この病気は避妊していない雌犬でホルモンの影響により子宮の中に膿が溜まる病気です。溜まる液は水腫(稀)だったり(多くは)膿だったりします。症状は食欲がないだけだったり軽度の嘔吐、開放性の場合は外陰部より分泌物がでます。(でない場合も結構多い)

治療はいかに早期発見して治療をするかです。レントゲン検査で子宮がかなり大きい場合は子宮破裂の可能性があるので、なるべく当日に緊急手術が必要です。

手術前に腎不全、黄疸などがない場合はほとんど助かりますが、経過が長かったりすると急性腎不全、黄疸を起こします。当然、手術前に静脈点滴による脱水、電解質、酸塩基平衡の補正などは必ず必要です。手術後は、食欲がでるまで入院して点滴が必要です。通常はトータル4日前後で退院になります。避妊していない雌犬では発情時期を把握し発情後は注意して動物を観察してください。

診断は、臨床症状、レントゲン検査、血液検査以外に超音波検査をしないと分からない症例もあります。最近では、CRP検査(炎症の検査)を導入し、レントゲン検査やエコー検査で分かりにくい症例でもほとんど確実に診断できるようになりました。

できれば予防的に生後1年以内に避妊手術をしておいた方が良いと思います。



●異物の誤飲に関して  時として緊急性あり

異物を誤飲するケースが時々あります。ほとんどは歳以内で発生しますが、歳以上の場合はだいたい以前に異物誤飲の前科があります。

異物としては、骨、おもちゃ、犬用ガム、串、針、楊枝、ヒモ、果物の種、靴下、電池など多種あります。治療は、飲んだものの種類や大きさ、動物の大きさ、動物の年齢、性格、誤飲してからの時間、飼い主の要望により色々と違ってきます。

誤飲した種類や時間により吐かせる場合、吐かせてはいけない場合があります。

胃内異物の場合:手術しないで内視鏡で摘出できる場合もあります。(動物では内視鏡処置には全身麻酔が必要です)

胃腸内異物の場合:試験開腹手術を行う場合は、麻酔後に内視鏡で口から食道、胃まで異物がないか一応確認して手術を行います。

胃内だけにある場合はお腹を切らずに内視鏡で摘出できる場合もあります。しかし、内視鏡で胃内を見ても食物残渣のため十分に異物の確認ができず手術に踏み切るケースもあります。小腸内で異物が詰まって閉塞している場合は、外科手術になります。

食道内異物の場合:食道に異物が詰まった場合は内視鏡で異物を除去します。食道に詰まるものは、犬用ガム、スーパーボール、大きな骨、縫い針など、過去に内視鏡で摘出しました。

化学薬品の中毒も最近多いです。例としては、アイスノンを食べた場合は、エチレングリコール中毒を起こすので早期の集中的な治療が必要になります。

当院では2008年に内視鏡TVシステムを導入しました。これは、液晶TVモニターに映し出して内視鏡検査できるシステムです。今まではファイバーを覗く術者しか画面を見れませんでしたが、このシステムでは手術室のスタッフ全員が見ながら操作ができ、異物除去の操作の効率がアップします。




E比較的多くて、やっかいな病気  緊急性なし

●乳腺腫瘍に関して 
 
毎月のように手術があります

犬の乳腺腫瘍は、良性が50% 悪性が50%。悪性のうち半分(全体の25%)は転移性の高い乳がんだと言われています。

雌犬では、2回の発情までに避妊しない場合、4匹に1匹の割合で将来的に乳腺腫瘍の発生があると言われます。(乳がん発生は8匹に1匹の割合)。人間では、23名に1名の割合で乳がんの発生があるといわれています。腫瘤(しこり)が徐々に大きくなってきた場合、細胞診の検査を行ないます。細胞診の検査で、確定診断し手術が必要かどうか? おおきく切除する必要があるかどうか? 検査結果により決めます。その他、犬の年齢や腫瘍の大きさ、数、血液データーにより手術法は違ってきます。左右全摘出、片側全摘出、腫瘍を含め前後乳腺摘出、高齢では短時間で手術を終わらせるため、レーザーメスや高周波ラジオ波メス、電気メスを使用しマージンを大きく、切除します。

また必ず、手術前に血液検査、レントゲン検査を実施し麻酔がかけれるかどうか? リスクを説明した上で手術をするかどうか飼い主の方に判断して頂くことにしています。

高齢犬の場合が多く、心臓や肺の疾患があるが手術を希望するケースも多く、手術前後にICUで管理することも多々あります。

犬の乳腺腫瘍の場合は悪性でも早期に手術をすると再発しない場合が比較的多いです。

手術後は、切り取った組織は必ず病理組織検査を実施し、悪性度、マージンの判断をしてもらいます。小さくても悪性だったり、大きくても良性だったりする例も稀にあります。



●糖尿病に関して   最近はダイエット用処方食の普及とともに一時期より減少傾向

糖尿病は膵臓でつくられるインスリンの欠乏により起こる病気です。インスリンがないと、糖は血中にとどまり尿に排泄されます。これは尿量の増加と喉の渇きを起こします。軽度の糖尿では体重は一時増加しますが、重度になると徐々に痩せてきます。感染症に弱くなるのと白内障が起きます。(犬ではたった一日で急に白内障を起こします)

糖尿病は根本的に治せる病気ではありませんが、適量のインスリンを自宅で注射することでコントロールできる場合が多いです。(インスリン耐性の糖尿病では無理な場合もあります)

人ではインスリン注射前に血糖値を下げる錠剤を内服しこれでコントロールできなくなったらインスリンに切り換えますが、犬猫ではほとんど効果はなく、副作用の観点からも食餌療法からインスリン治療が必要になります。

*現在、世界的にインシュリンでなくインスリンに名前が統一されています。

比較的やっかいなのが、生涯にわたり飼い主の方が犬や猫に注射をしなければならないので、ここで列挙しました。しかし、最近のインスリン注射はペン型タイプ゚になり、針は短く、極細タイプなので動物はあまり痛がらず注射できます。

インスリンの注射は、通常では1日2回注射します。この方法だと飼い主の方の時間的な負担が大きいので、当院では長時間作用型のインスリンを1日1回でコントロールする方法を第一としています。(中には1日2回でないとコントロールできない症例もあります)



●(各種)皮膚腫瘍に関して  毎月のように手術があります
中齢以降、皮膚に腫瘤(コブ)ができ来院することがあります。腫瘤の原因は、腫瘍、炎症、化膿、過形成などいろいろあり、それぞれ治療が違ってきます。小さい場合は見ただけでは判断できない場合があります。放置していて徐々に大きくなる場合は、細胞診の検査をして何が原因なのか検査をする必要があります。タイプが悪い腫瘍性が疑われる場合や腫瘤が大きい場合、出血を繰り返しす場合には手術で腫瘤を取る必要があります。

当院では、腫瘤で手術を行う場合は全ての症例で必ず手術後に病理組織検査を実施します。大きくても良性だったり小さくても悪性だったり予後の判断として非常に重要かつ必須です。

手術はレーザーメスやラジオ波メスを使用して実施し、出血を最小限、手術時間を短く実施するようにしています。



●リンパ腫(多中心型)に関して 
 
病気としては稀ですが、以前より多い傾向があります

首のしこりが大きくなったと来院するケースがほとんどです。この病気は抗がん剤(化学療法)で治療を行います。まずはリンパ腫であるかどうかの診断が第一です。リンパの腫脹(腫れ)があって、検査したらリンパの過形成だったりするケースも多々あります。通常は病院内で診断はせず、必ず検査センターに検査標本を提出して専門家により確定診断をしてもらいます。(万が一にも違っていたら全く無意味かつ無責任な治療になるからです)

数種類の化学療法があるので投薬中の副作用などを十分に説明をしてから治療を開始します当院では週間に一度来院して頂き半日入院で治療を行ないます。その後、再発した場合は、3剤の抗がん剤を併用する治療を行います。その後、再発した場合は、2週に1回注射する方法と3週に1回内服する方法を組み合わせて治療を行います。場合によっては、飼い主の方の同意を得てから国内で販売のない化学療法剤の治療を行う場合も稀にあります。

人では何種類もの高額な薬を高容量で使用する高容量の化学療法を行うので寛解から治癒する例がありますが、犬猫での化学療法は低容量の治療方法しか確立されておらず寛解までが限度で、場合によっては半年から1年で再発する場合がほとんどです。つまり延命のための治療になります。(最初にこの点も理解して頂き治療を開始するかどうか飼い主の方に判断して頂きます)

最近は、消化器型のリンパ腫が以前に比べて多いようです。(猫では消化器型が多い)
消化器型は化学療法があまり効かず、確定診断も非常に難しいリンパ腫です。
リンパ腫は、犬ではゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、シーズー、コーギーに多いようです。

治癒と寛解の違い:治癒は完全に治ることです。寛解は永続的一時的を問わず、病気が好転または消失することです。



●逆くしゃみ症候群に関して  
チワワに比較的多い疾患?

別名、リバース・スニード・シンドロームと言います。

この疾患?は、小型犬種とくにチワワなど短頭種に非常に多い病気?です。

逆くしゃみとは鼻孔から空気を急速に強く音をたてながら連続的に吸い込む発作をするという特徴をもっています。これは10秒〜2分で終わります。この発作は散発的に起こります。発生のきっかけは分かりません。意識がなくなったりすることはありません。一部の犬では3歳ぐらいで症状なくなりますが、生涯に渡って発作様の動作(喉に何か引っかかる動作が数秒〜2分程度続くのも)を起こす犬もいます。通常は治療の必要はない場合がほとんどです。飼い主の方が非常に心配して来院するケースが多いようです。

発作様の動作がひどくなったり、回数が多くなってきたら他に原因があるかもしれませんのでレントゲン検査などをして他の考えられる疾患が無いのを確認しておいた方が良いでしょう。この病気で命にかかわることは通常はありませんが、むせるような発作が生涯続くケースが多いのでやっかいな病気に入れました。



●僧帽弁閉鎖不全症に関して  
小型犬で非常に多い  キャバリア、マルチーズ、ヨークシャーテリア、シーズーなどに多い

犬では高齢で心臓疾患で死亡するケースが比較的多いようです。小型犬の心臓病の中でも比較的多いのが、僧帽弁閉鎖不全症です。これは心臓内の弁がうまく閉じずに鬱血性心不全を起こすものです。聴診だけでだいたいは診断できますが、どの程度悪いかはレントゲン検査や胸部のカラー超音波検査が必要です。この心臓病は、心臓に雑音があっても無症状で数年大丈夫なタイプから急激に悪化して数週間で死亡してしまうタイプまで様々あります。症状がなくても各種心臓病のお薬を飲ませて心臓を悪化させないようにする必要があります。

薬を内服していて調子が良くても6ヶ月おきにレントゲン検査をして心臓肥大の程度を検査する必要があります。
どのような心臓病でも悪い状態が続くと心臓は肥大を起こします。心臓が肥大しすぎると心臓の収縮力が低下し、より一層心臓が悪化します。心臓病の薬は、いろいろとあるので心臓の状態でその都度、薬は変わってきます。調子が良くても定期的な検査は必要でしょう。



●椎間板ヘルニアに関して 
 
ダックス、コーギーなどに多い

土曜・日曜・月曜の休み明けに来院するケースが多いようです。(オーナーの休みの日に運動しすぎて発症の理由で)。また、3歳〜7歳での発症が多いようです。

椎間板は外側の線維性の部分と内側の柔らかいゼリー状の部分からできています。線維の外輪は背側部では腹側部よりも薄いため激しい運動などで背側部分が破れ椎間板がすぐ上の脊柱管内へ突出してきます。もし椎間板が完全に破壊されると外輪は虚脱し内部のゼリー部分が脊髄を圧迫し傷み、麻痺などを起こします。

この病気は後肢の痛みから発症するケースが多いですが、進行すると麻痺が起きます。最初から麻痺で来院するケースもあります。椎間板ヘルニアの20例に1例は上行性脊髄軟化症といい、脊髄に壊死を起こし4日以内に呼吸不全で死亡する例もあります。ステロイドの治療を行いますが、症状の経過が悪い場合は手術が必要な場合もあります。また、ヘルニアの程度により治療法が異なります。

予後:内科療法では、ヘルニアの程度にもよりますが、1週間〜3週間のケージレスト(排尿以外は、なるべく狭いケージで飼育する)が性格上、出来るかどうか? が特に内科療法では重要です。安静のためにケージに入れるのですが、かえって暴れるような犬では状態を悪化させ逆効果になります。
最近は、経過とともにリハビリの指導も行っています。リハビリで比較的、予想を超える回復を示すケースも多々あります。



●副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)に関して

犬の病気です。中齢〜老齢の犬に発症する内分泌疾患です。平均発症年齢は12歳、性別には関係しません。症状は、多飲多尿(たいんたにょう) 非常に多く水を飲み、非常に多く尿をします。腎不全、糖尿病がなく軽度の肝酵素上昇がある場合、本疾患の可能性があるかもしれません。

診断には、まずACTH刺激試験(特殊な検査)が必要です。この検査は副腎皮質機能亢進症になっているかどうかの検査です。検査には1時間半程度の検査入院になります。この検査で確定診断できたら、次に副腎皮質機能亢進症が、下垂体性か? 副腎性か?の検査が必要になります。この検査では、朝の8時〜午後5時まで検査入院する必要があります。

下垂体性の場合は内科治療、副腎性の場合は外科治療になります。この病気は、約85%は下垂体性なので、この場合は内科的な治療でうまくコントロールできます。(治療効果は85%) 以前は副作用のある治療薬しかなく診断できても治療できないケースがありましたが、現在は副作用が少ない薬での治療ができるようになりました。

比較的やっかいなのは、薬代が高額かつ内服が一生涯続くのでここで列挙しました



●副腎皮質機能低下症(アジソン病)に関して

犬の病気です。中齢〜老齢の犬に発症する内分泌疾患です。アジソン病の臨床症状は非特異的であり、ぐったりショック状態で来院したり、震えだけだったり、元気、食欲がないだけだったり慢性の消化器症状だったりします。

副腎皮質機能低下症には、鉱質コルチコイドが不足するアジソン病と糖質コルチコイドが不足するアジソン病があり診断を難しくしています。ほとんどは鉱質コルチコイドが不足するアジソン病から発症するケースが多いようです。また、しばらくすると糖質コルチコイドも不足を起こし結果的に種類の薬でのコントロールが必要になります。

確定診断されたら生涯にわたり薬を内服すれば生活には問題ないケースがほとんどです。
当初は、薬に対して劇的に反応し改善しますが、しばらくすると薬に対する反応は悪くなるケースが多いようです。

比較的やっかいなのは、薬代が高額かつ内服が一生涯続くのでここで列挙しました。