SAM動物病院
猫の病気など・・・に関して

猫を飼育する上で大切なのは、予防できるものは予防することと飼い主の方の病気に関する知識の向上でしょう。病気になってから≠ナはなく、予め病気にならないようにすることが非常に大切だと当院では考えています。また、緊急性のある病気は早めに来院されるのも非常に重要です。病気によっては来院が半日遅れることで生死を分ける場合もあります。この簡易ホームページでは、なるべく簡単に・・・
@猫の予防注射、ノミの予防、A避妊手術、去勢手術のメリット、B自宅での愛猫の体の管理、C偏食、肥満の予防、D緊急性のある病気、E比較的多くてやっかいな病気・・・に分類してみました。ご覧ください。
※猫を飼育する場合、生まれてから飼育までの経過が分からない場合は猫白血病ウィルス検査、猫免疫不全ウィルス検査をお勧めしています。(とくに複数飼育の場合はこの検査は必須でしょう)
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@猫の予防注射、ノミ予防

●猫の混合ワクチンに関して

猫の伝染病の予防として混合ワクチンがあります。

当院では、ワクチンは2社3種類を揃えています。

ワクチンの中のパルボウィルス感染症のように致死的なダメージを与える病気は、必ず接種する必要性があります。猫伝染性鼻気管炎とカリシウィルス感染症は呼吸器疾患の1つです。呼吸器疾患にはウィルス、クラミジア、細菌、マイコプラズマなどが混合感染するケースがあります。よって、ワクチン接種してあってもこれら呼吸器疾患のどれかに感染する場合がありますが、ワクチン接種してウィルス疾患を予防してあると呼吸器疾患になっても症状が軽くすみます。

その他、飼育環境により他の猫と接触する場合は猫白血病に感染するリスクがあるので5種混合をお勧めします。生涯にわたり、確実に室内飼育する場合は3種混合ワクチンで十分でしょう。



●ノミの予防に関して

外を自由に出入りする猫は時としてノミに感染することがあります。よって、室内外での飼育では予めノミの予防をしてください。ノミが猫に感染するとノミアレルギー性皮膚炎、条虫症などに感染する可能性があります。また、ペットホテルに預かりをお願いする場合もノミの予防をしてください。予防としてはフロントライン、アドバンテージの薬を月に1回猫の首に滴下して予防してください。24時間で駆除できます。
現在、犬猫に感染する多くのノミは猫ノミです。
*室内犬を飼育の場合は、犬が散歩でノミを持ち込む場合があるので猫もノミ予防をした方が良いでしょう。
*ノミ予防薬を使用すると、1ヶ月間ノミを予防します。
*夏場などのノミが多い時期のペットホテルでは、予めノミ予防をお勧めしています。
*当院ではペットホテルで預かる際に、ノミの感染の有無を確認しています。




A避妊・去勢手術のメリットに関して

●猫の避妊手術(発情予防)に関して

猫はオス、メスともに発情し独特な泣き声を発するのでオスメスかかわらず去勢、避妊手術するのをお勧めします。手術した後のデメリットとしては太りやすくなるケースがあるので体重の増加には比較的注意し食餌を与えすぎないようにしてください。一度、発情を見てから判断するのも良いですが、特にメスでは避妊手術は開腹手術になるのでお腹の中に脂肪が多くなると手術時間も余分にかかるので遅くとも生後1年以内には手術するか?しないか?決めてください。

また、スプレー行為(室内のあちこちで尿をする行動)を起こしたら、早期に去勢手術、避妊手術をしてください。あまりスプレー行為をそのままにしておくと癖として手術をしてもスプレー行為が残る場合もあります。
*去勢をしてもスプレーが続く場合は、早期に他の治療をする必要があります。



B偏食・肥満の予防に関して

●偏食の予防に関して

最初が肝心、食餌管理。

猫を飼育し始めたら、できれば食べるフードを成長期、成猫になった後、それぞれできるだけ1つに限定しあまり変えない方が良いと個人的には思います。食べないから食餌を変更・・・を繰り返すと猫の嗜好性(好き嫌い)も高まります。また、人の食べ物を与えると一層偏食傾向はエスカレートしますので飼育し始めが重要です。

猫のフードは食べてみると分かりますが非常に薄味です。要するに人の食べ物と違って塩分は非常に少ないのです。人の食べ物を犬猫に与えると塩分は多すぎて、心臓、腎臓などに良くありませんし濃い味に慣れて猫用のフードを食べなくなります。猫は人に比べてカルシウムを10倍以上必要とするのでカルシウム不足に陥り骨が弱くなったりします。猫と人の必要栄養量は全く違うので猫用のフードだけを与えるのがBESTです。
太った猫を減量させる場合の注意点としては、急な減量は良くないことです。急に減量させると肝臓に負担がかかります。だいたいの目標体重を設定して、体重を測定しながら徐々に減量させましょう。

犬用のフードを猫に与え続けると低カロリーになります。また、猫はタウリンという物質が必須なのでできるだけ猫用のフードを与える方がよいでしょう。



●肥満の予防に関して

まずは、理想体重を設定します。なるべくカロリー価の低い食餌に変更します。まずは市販のものでも良いでしょう。運動によっての減量は猫では無理なので、食餌による減量が必要になります。減量での注意としては太った猫は、肝臓が脂肪肝の状態なので、急激に痩せさせない事が重要になります。急激に痩せさせると猫は脂肪肝(肝リピドーシス)を発症してしまいます。まずは市販のダイエット用フードに切り換えて、それでも無理な場合は病院で販売している処方食に食餌を変えるのも良いでしょう。
肥満の猫では高脂血症、糖尿病、慢性便秘、年とともに腰に負担がかかり変形性脊椎症などが多くなります。




C自宅での愛猫の体の管理に関して

●耳の管理に関して

犬の外耳炎ほど多くはないのですが、猫も夏場や冬に暖房の使用とともに外耳炎で来院するケースが多々あります。外に出る猫では野良猫との接触で耳ダニの感染も時々あります。
外耳炎に限って言えば、刺激の少ない洗浄液で定期的に耳を洗浄することをお勧めします。犬と違って猫では、すばしっこいので少しコツが必要になります。猫の性格によるのでここでは詳しく記載しませんが、綿棒での洗浄よりはカット綿を利用した洗浄が比較的楽に耳のお手入れができます。
生涯にわたり外耳炎を起こさない猫もいますが、一度でも外耳炎を起こした場合には定期的に耳の管理が必要でしょう。稀に外耳の耳道の分泌腺から分泌物が多く(体質的なもの)十分なケアーが必要なケースもあります。



●爪の管理に関して

猫も定期的に爪を切る方が日常での管理が楽になります。但し、なかなか自宅で猫の爪を切れないケースが多いようです。若い時は切らなくてもほとんどのケースで大丈夫ですが、高齢になるにしたがいカルシウム吸収不全からなのか? 上皮小体からでるカルシウム吸収に係わるホルモン異常なのか? 爪が弱くなり変形し、内側に太くなり皮膚に食い込む場合があります。日頃から爪の管理もきちんとしましょう。若い猫でも活発に動き回る猫では、畳などに爪が引っ掛かり根元から折れて出血して来院する場合があります。そのような猫では定期的に爪を切った方がよいでしょう。



●肛門腺の管理に関して

特に問題なく 一生涯、肛門をしぼらなくても良い場合もありますが、猫が床にお尻をこすったり何かお尻を気にするような場合、肛門嚢という肛門の左右斜め下にある袋に分泌液が溜まっている場合があります。

場合によっては破裂して皮膚の中に分泌液が漏れて化膿する場合もあります。お尻付近に穴が開いたり、またはお尻を痛がると来院するケースが多いようです。だいたいは内科的に治療しますが、外科的な治療が必要なケースもあるので犬猫がお尻を気にしだしたら注意してください。時計の表示法では肛門を中心に4時と8時に肛門嚢はあります。ちなみに人の内痔核は3711時だそうです。
肛門腺付近の皮膚は非常に血管に富んでいて、ある程度の傷(穴)なら内科的治療で完治します。
化膿を抑える治療とともに、当院では皮膚を再生させる薬剤を必ず使用し外科的な治療をせずに治します。




D比較的多い緊急性のある病気に関して

●オス猫の泌尿器症候群(とくに、尿道に閉塞物があり排尿できない場合) 緊急性あり すぐ病院へ

猫では、運動不足、肥満、あまり水を飲まない、ドライフード中心の食生活などから時として膀胱内に結石が形成されます。特に、解剖学的違いから、オスの猫では尿道が細く、長く、湾曲しているので膀胱結石が尿道に詰まり排尿できなくなるケースが多々(毎月のように)あります。

*非常に稀ですが、雌猫でも発症することはあります。

トイレに何回も行き排尿姿勢をするが、尿がでない場合は緊急を要します。48時間全く尿が出ない場合は急性腎不全から尿毒症に陥り死亡します。腎不全に陥ってから来院するのとその前に来院するケースとでは治療と予後は大きく違ってきます。

早期発見、早期治療が重要な疾患なので猫がトイレに何回も行き尿がでない場合や、排尿時に痛みがある場合は早めに診察してください。

また、急性腎不全に陥ったケースや結石が尿道に食い込み痛みが激しい場合には入院治療になります。超音波結石粉砕装置を用いるケースもあります。痛がる猫を押さえて無理に尿道カテーテル挿入しようとすると、場合によっては、暴れて膀胱破裂、尿道損傷を起こす可能性があります。その場合、鎮静処置が必要です。症例(経過時間、血液データー、過去の既往症、猫の年齢、性格、飼い主の方の希望)により治療法が微妙に違います。

注意:昔はオス猫に、メスの外陰部様の広い尿道口をつくる形成術がすぐに行われる傾向がありましたが、手術後につくられた尿道が瘢痕形成から狭窄(狭くなる)する可能性や術後つくられた尿道ではペニスがなく、もし尿閉が再発した場合にカテーテル挿入ができなくなるデメリットがあります。また、手術をしても結石ができる状態が変わることはなく、結果的に食餌療法が必要かつ食餌療法で十分に予防できる理由などから現在では、できるだけ尿道形成手術は避けるのが一般的(主流)です。但し、尿道が壊死、開通できない場合には、この手術が適応になります。(当院ではしかたなく手術になった例が過去に例ありました)

注意:最近では、シュウ酸カルシウム結石が多くなってきています。通常のリンとマグネシウムの結石では溶解食、予防食がありますが、シュウ酸カルシウム結石では予防食しかなく早期診断が重要です。また、稀に膀胱内の結石が尿検査で特定できずに結石が少なくならない場合や膀胱粘膜が剥離してこれが尿道口を閉塞させる場合は膀胱切開して膀胱内を洗浄と異物除去と結石分析検査が必要な場合があります。



●メス猫の子宮蓄膿症に関して 
 病気の知識として理解が必要 症例により緊急性あり

避妊していない中齢以降のメス猫では、子宮蓄膿症になることがあります。

だいたいは、発情後約1ヶ月前後で発症するケースが多いようですが、発情が不明だったり発情時期と違う時期での発症もあります。この病気は避妊していないメスがホルモンの影響により子宮の中に膿が溜まる病気です。溜まる液は、水腫だったり膿だったりします。症状は食欲がないだけだったり軽度の嘔吐、開放性の場合は外陰部より分泌物がでます。(でない場合も結構多い)

治療はいかに早期発見するかです。レントゲン検査で子宮がかなり大きい場合は子宮破裂の可能性があるので、なるべく当日に緊急手術が必要です。

手術前に腎不全、黄疸などがない場合はほとんど助かりますが、経過が長かったりすると急性腎不全、黄疸を起こします。当然、手術前に静脈点滴による脱水、電解質、酸塩基平衡の補正などは必ず必要です。手術後は、食欲がでるまで入院して点滴が必要です。通常はトータル4日前後で退院になります。
避妊していないメス犬では発情時期を把握し、発情後は注意して動物を観察してください。

診断は、臨床症状、レントゲン検査、血液検査以外に超音波検査しないと分らない症例もあります。

できれば予防的に生後1年以内に避妊手術をしておいた方が良いと思います。



●異物の誤飲  時として緊急性あり

異物を誤飲するケースが時々あります。ほとんどは3歳以内で発生しますが、3歳以上の場合はだいたい以前に異物誤飲の前科があります。また、猫はとくに光りものが好きなので、小さな金属性のもなどは十分に注意してください。

その他の異物としては、骨、おもちゃ、輪ゴム、果物の種、針、楊枝、ヒモ、靴下、電池など多種あります。治療は、飲んだものの種類や大きさ、動物の大きさ、動物の年齢、性格、誤飲してからの時間、飼い主の要望により色々と違ってきます。

誤飲した種類や時間により吐かせる場合と吐かせてはいけない場合があります。

胃内異物の場合:手術しないで内視鏡で摘出できる場合もあります。(動物では内視鏡処置には全身麻酔が必要です)

胃腸内異物の場合:試験開腹手術を行う場合は、麻酔後に内視鏡で口から食道、胃まで異物がないか一応確認して手術を行います。

胃の中だけにある場合はお腹を切らずに内視鏡で摘出できる場合もあります。しかし、内視鏡で胃内を見ても食物残渣のため十分に異物の確認ができず手術に踏み切るケースもあります。小腸内で異物が詰まって閉塞している場合は、外科手術になります。

食道内異物の場合:犬に比べ、猫では口の開け方が小さいためか? 食道の構造上の違いなのか? 性格上の違いなのか? 猫では食道に異物が詰まるケースは犬に比べて少ないようです。過去に、紐を飲み込んで、嘔吐で胃の中の紐の一部が口から出たままで来院したケースがありました。場合によっては、紐が口〜胃、胃〜小腸まで連続しているケースでは内視鏡と開腹手術が必要だったこともありました。十分に注意してください。

猫では犬よりは慎重な性格のためか化学薬品の中毒は少ないようです。

当院では2008年に内視鏡TVシステムを導入しました。これは、液晶TVモニターに映し出して内視鏡検査できるシステムです。今まではファイバーを覗く術者しか画面を見れませんでしたが、このシステムでは手術室のスタッフ全員が見れます。よって異物除去ではスタッフ数人の共同作業なので、このシステムにより効率がアップします。




E比較的多くて、やっかいな病気  緊急性なし

●乳腺腫瘍(猫)に関して  犬の乳腺腫瘍ほどは多くはないが10歳以上の高齢の猫で多い
犬と違って猫の乳腺腫瘍は、悪性の転移性の高い乳腺癌の場合がほとんどです。小さいうちに手術をしても猫の乳腺癌の場合は必ずといっていいほど再発してしまいます。

10歳以上の猫で、乳腺にシコリができ、徐々に大きくなってきたら、早期に細胞診の検査を実施する必要があります。稀に、乳腺炎の場合もあるので、術前に必ず細胞診を実施し、乳腺癌を確認してから手術を実施します。手術は片側全ての乳腺をかなり大きく切除します。高齢猫のケースがほとんどなので、手術時間を短縮する(出血コントロール)ためレーザーメスや高周波ラジオ波メス、電気メスを使用しマージンを大きく、切除します。猫では手術しても犬と違って再発するケースが多いので手術では特に出血させないように手術を行うことが再発の時間を遅くすると考えます。ただ摘出するだけでなく、再発を遅らせる工夫も重要でしょう。
手術をしない場合、癌化した腫瘍が大きくなり腫瘍から膿がでて、自宅での腫瘍の管理が大変など・・・クオリティー オブ ライフ(生活の質)を考えると手術を行うのも選択肢の一つです。

猫の状態を検査した上で、将来的に乳腺の管理(消毒の手間:患部にかなりの膿が生じる)と延命目的と良くなる可能性を追求して1回だけ、手術を行うメリットはあると思います。比較的、避妊手術をしていない高齢の猫での発生が多いようです。

猫の乳腺癌の手術では、経験上、とにかく手術中に出血をさせない手術(転移を防ぐ)に心掛けることで再発するスピードを遅くでき、稀な例ですが2年間経過して小さく再発して飼い主の希望で2回目の手術を行った例もあります。



●甲状腺亢進症  
 高齢化とともに最近、診断されるケースが非常に多い
比較的、高齢のメス猫での発症が多いようです。甲状腺疾患の症状は、その猫ちゃんによりまちまちで統一した症状はないように個人的に感じます。10歳以上の猫では、非常に多いので定期的に検査を行った方が良いと思います。
症状としては、食欲減退、体重減少、最近怒りっぽい、高血圧から心不全、心臓雑音から診断されるケースが多く、稀な例では、夜泣き、眼底出血、網膜剥離、食餌の飲み込みが悪くなるなどで来院されて診断するケースもあります。この疾患では、肝臓の一部の酵素が上昇する場合があり、そこからホルモン検査で診断するケースもあります。
治療は、甲状腺から出るホルモンを減らす薬を内服させるのですが、薬の副作用を考えて投薬するコツ≠ェ必要になります。また、確定診断して投薬して調子が良くても定期的に検査をしながら薬の投薬量を微調節する必要があります。薬が少なすぎてもダメだし、多すぎても逆に甲状腺低下を起こします。


●猫の糖尿病に関して   
肥満用の処方食の普及とともに一時期よりは減少傾向あるように思われる

糖尿病は膵臓でつくられるインスリンの欠乏により起こる病気です。インスリンがないと、糖は血中にとどまり尿に排泄されます。これは尿量の増加と喉の渇きを起こします。軽度の糖尿では体重は一時増加しますが、重度になると徐々に痩せてきます。

糖尿病は根本的に治せる病気ではありませんが、適量のインスリンを自宅で注射することでコントロールできる場合が多いです。(インスリン耐性の糖尿病では無理な場合もあります)

人ではインスリン注射前に血糖値を下げる錠剤を内服しこれでコントロールできなくなったらインスリンに切り換えますが、犬猫ではほとんどといっていいほど効果はなく、副作用の観点からも食餌療法からインスリン治療が必要になります。

*現在、世界的にインシュリンでなくインスリンに名前が統一されています。

比較的やっかいなのが、生涯にわたり飼い主の方が犬や猫に注射をしなければならないので、ここで列挙しました。しかし、最近のインスリン注射はペン型タイプ゚になり、針は短く、極細タイプなので動物はあまり痛がらず注射できます。

インスリンの注射は、通常は1日2回注射します。この方法だと飼い主の方の時間的な負担が大きいので、当院では長時間作用型のインスリンを1日1回でコントロールする方法を第一としています。(中には1日2回でないとコントロールできない症例もあります)
猫は高血糖になりやすい動物なので、病院で興奮するだけで血液検査で血糖値は上昇します。よって1回の血液検査だけで糖尿病だと診断することはできません。複数回の血液検査(検査前は絶食)、尿検査、ある種の特殊検査により糖尿病と確定診断します。



●各種皮膚腫瘍に関して

中齢以降、皮膚に腫瘤(コブ)ができ来院することがあります。腫瘤の原因としては、腫瘍、炎症、化膿、過形成などがあり、それぞれ治療が違います。また、小さい場合は見ただけでは判断できない場合が多いです。放置していて徐々に大きくなる場合は、細胞診の検査をして何が原因なのか検査をお勧めします。タイプが悪い腫瘍性が疑われる場合や腫瘤が大きい場合、出血を繰り返し生活上問題ある場合は良性でも手術を行います。

当院では、腫瘤で手術を行う場合は全ての症例で必ず手術後に病理組織検査を実施します。大きくても良性だったり小さくても悪性だったり予後の判断として非常に重要かつ必須です。

手術はレーザーメスやラジオ波メスを使用して実施し、出血を最小限、手術時間を短く実施するようにしています。



●猫のリンパ腫(消化器型、胸腔型)に関して
FeLV(猫白血病ウィルス)陽性の猫では、消化管のリンパ節が腫瘍化したりして食べたものが流れにくくなり慢性嘔吐が続いたり、胸の中の心臓の前方にある前縦隔のリンパ節が腫瘍化して胸水がたまり呼吸不全を起こしたりするケースがあります。なかなか確定診断、早期の診断は難しいケースがあります。
猫では、白血病ウィルスが関係するケースとウィルスが関係しないケースがあり一層診断を難しくしています。
貧血の有無、血液中の白血球の分画、各種リンパ節の針による吸引標本などの検査が必要になります。
化学療法を行う場合、胸腔型には薬は効きますが、消化器型にはあまり効果を発揮しません。治療は、延命治療が主体になります。

*化学療法を行う場合、ヒトでは寛解から治癒するケースがありますが、動物では低用量の化学療法しか確立されていないので完治(治癒)させるよりは一時的な寛解まで状態をもっていくことが治療の目標になり延命治療になります。
※治癒と寛解の違い:治癒は完全に治ることです。寛解は永続的一時的を問わず、病気が好転または消失することです。



●慢性腎不全に関して  比較的多い

猫では高齢で腎不全で死亡するケースが多いようです。正常な腎臓は血液をろ過し、老廃物を取り除き尿中に排泄する機能があります。慢性腎不全の症状には嘔吐、下痢、喉の渇き、尿の回数が増える、食欲不振、元気消失などがあります。血液検査で分かるのは腎臓全体の3/4が機能不全になった場合です。言い換えると3/4の腎臓が機能不全になるまで血液検査で分かりません。

人では血液透析をして状態を維持しますが、動物では補液、吸着剤の内服、初期では食餌療法などで治療を行います。良くするよりも延命のための治療が必要になります。
慢性腎不全になると、犬では多飲多尿(多く水を飲み、多くおしっこをする傾向)で来院するケースが多いのですが、猫では最近、食欲がないとか非常に痩せてきたなどの主訴で来院するケースがほとんどです。腎臓が悪くても、飼い主の方に聞くと多飲多尿に関しては、半数の飼い主の方が、最近は水を飲むのが多いかも? と言う方もいればまったく多飲多尿は多くないと言う方もいて、水を多く飲む異常で来院するケースは少なく、犬に比べてかなりすすんだ状態(末期)になってから発見されるケースが比較的多いようです。